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太陽光発電の発電量の経年劣化はどのくらいか ~パワコンの交換タイミングは?~

太陽光発電
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太陽光発電システムを構成する主な機器は、「太陽光パネル」「パワーコンディショナー」(以下「パワコン」と書きます)(※)です。

(※)パワコンは、太陽光で発電した電気(直流)を家で使える電気(交流)に変換する機器です。

「太陽光パネル」の一般的な寿命(耐用年数)は、20~30年と言われています。

「パワコン」の一般的な寿命(耐用年数)は、10~15年と言われています。

今回のブログでは、我が家の太陽光発電の「発電量の経年劣化」がどのくらいのペースであったかを書きたいと思います。

結論としては、

12年間半、太陽光パネルもパワコンも故障は一切なく、発電量の経年劣化も気になるほどではありませんでした。

(太陽光発電を設置(2010年12月)してから12年間半経った時期(2023年7月)に蓄電池を設置しました。太陽光発電のパワコンの寿命が近づいているタイミングでしたので、太陽光発電のパワコンを兼ねる「ハイブリッド型」の蓄電池(※)を選択しました。)

(※)蓄電池の種類については、以前のブログ「これだけは知っておくべき蓄電池の種類(タイプ)」をご参照ください。

今回のブログを読むと、太陽光発電の発電量の経年劣化が実際にどのくらいなのか、我が家の実例で分かるワン

太陽光発電の発電量の経年劣化を数字で見る

「寿命」という言葉を聞くと、まったく発電しなくなってしまうような状況を想像しますが、長年使い続ければ、寿命を迎えるまでにはならなくとも、当然ながら「発電量」は「経年劣化」していくことになります。

では「発電量」の「経年劣化」のスピードはどのくらいのものなのでしょうか。我が家の実例で見てみたいと思います。

我が家の太陽光発電の概要

我が家の太陽光発電システムは、シャープの「サンビスタ(SUNVISTA)」という製品です。

太陽光パネルの設置容量は6.3kWです(蓄電池設置前の太陽光発電のパワコン出力:5.5kW)。

2010年12月に設置しました。住まいは東京です。

メーカーの「出力」保証内容

取扱説明書を見ると、「太陽電池モジュールの出力は、最大出力の下限値(最大出力の公称値の90%)の90%までを10年間保証いたします。」との記載があります。

10年間「90%」まで保証」ということは、別の言い方をすると「10年間で「10%」までは出力(発電)が劣化することがある」と理解しました。

太陽光発電の発電量とその経年劣化状況の推移(我が家の実例)

我が家の太陽光発電の経年劣化状況を見てみました。具体的には年別の「発電量」と「日照時間1時間あたりの発電量」の推移を確認しました。

以下のグラフと表は、太陽光発電を設置(2010年12月)してから、パワコンを交換する前の年(蓄電池を設置する前の年)(2022年)までの12年間の状況を示したものです。

グラフを見ると、やっぱり年が経過するとともに発電量は減少傾向にあるようね。機械なので経年劣化はやむを得ないとして、どのくらいのペースで発電量が減っていくのかがポイントね。

 発電量
(単位:kWh)
日照時間(東京)
(単位:時間)
日照時間1時間あたりの
発電量
(単位:kWh)
「発電量÷日照時間(東京)」
で算出
2011年8,2232,0564.00
2012年8,1212,0234.01
2013年8,5032,1313.99
2014年8,1682,1043.88
2015年7,6671,9673.90
2016年7,0911,8423.85
2017年7,6972,0513.75
2018年7,4302,1123.52
2019年7,4261,9093.89
2020年7,2991,8903.86
2021年7,4692,0903.57
2022年7,2162,0293.56

(※)「日照時間」のデータは、気象庁のホームページから取得

気象庁|過去の気象データ検索
過去の気象データ検索

12年間分のデータを概観すると、

・「年別の発電量」は、7,000kWh台~8,500kWh台の間にありました。

・「年別の日照時間」は、1,800時間台~2,100時間台の間にありました。

・「日照時間1時間あたりの発電量」は、3.52kWh~4.01kWhの間にありました。

発電量減少の要因として、我が家の南東側と南西側に背の高い木があって、少しずつ大きくなっているので、その影響で特に太陽の位置が低い冬に太陽光パネルが影になる時間が年々増えてしまっているということもあるかな・・・。

年別の「発電量」

10年後

まず「年別の発電量」を見ると、

・初年の2011年は「8,223kWh」(日照時間:2,056時間)でした。

・10年後の2020年は「7,299kWh」(日照時間:1,890時間)でしたので、初年(2011年)の88.8%でした。

12年後

・パワコン交換前の最後の年となった12年後の2022年は「7,216kWh」(日照時間2,029時間)でしたので、初年(2011年)の87.8%でした。

年別の「日照時間1時間あたりの発電量」

10年後

「発電量」は天候により左右されますので、年による天候の違いを踏まえて状況を確認できるように、「日照時間」の要素を入れて見てみることにしました。

具体的には「日照時間1時間あたりの発電量」です。

計算式は、

「日照時間1時間あたりの発電量」=「発電量」÷「日照時間」

です。

「日照時間1時間あたりの発電量」を見ると、

・初年の2011年は「4.00kWh」でした。

・10年後の2020年は「3.86kWh」でしたので、初年(2011年)の96.5%でした。

12年後

・パワコン交換前(蓄電池設置前)の最後の年となった12年後の2022年は「3.56kWh」でしたので、初年(2011年)の89.0%でした。

(補足)

「日照時間1時間あたりの発電量」が一番低かった年は2018年でした。「3.52 kWh」でしたが、それでも初年(2011年)の88.0%の水準はありました。

この年は、「発電量」が少なかったということではなく、分母となる「日照時間」が長めでした。

息子の部活の最後の年だったのでよく覚えているのですが、特にこの年、夏(7月・8月)は大変な猛暑で晴れた日が続き日照時間が長かったのです(気象庁のデータでも確認できます)。太陽光発電は、気温が高くなると発電効率が落ちるという性質があります。この年日照時間が長かった割には発電量が伸びなかったのは、そういった理由があると推測できます。

まとめ

・耐用年数が10~15年と言われる太陽光発電のパワコンを約12年間半使いましたが、いちども故障することなく、上記のとおり、発電量が激減するようなこともありませんでした。10年経過後以降は、データを見ると、やや発電量の劣化が進んだように見えますが、そのまま使い続けても問題ないと感じる程度の劣化でした。メーカーの「出力保証」に「10年間で「90%」まで保証」とあるとおり、(保証についての内容や条件の詳細は別として、)我が家で太陽光発電を使い始めて10年経っても、最初(2011年当時)の「90%」はちゃんと発電してくれているな、という感触でした。

・長く使い続けると、太陽光パネルよりも先にパワコンの寿命がやってきて、もしかすると、突然全く発電しなくなってしまうというようなことがあるのかもしれませんが、太陽光発電が使えなくなったとしても、電力会社から買電すれば電気を使うことができますので、日常生活に支障が出ることはありません。ですので、パワコンは、完全に壊れるまで待ってから買い替えるという選択もありかもしれません。

・もちろん、パワコンが完全に故障してしまうと、修理や交換をするまでは「発電ゼロ、売電ゼロ」となってしまうので、早く対応しないとその分経済的なロスが増えていってしまいます。

・各家庭のパワコンの寿命がどのくらいなのか知りたいと思い、インターネットの各種サイトで調べてみたところ、10年以内に故障した家もあれば、15年以上故障しなったという家もあり、まちまちのようです。我が家においては12年間半一切故障無しでした。日差しや雨風の当たらない軒下に設置していたことがよかったのでしょうか・・・。

・我が家では、卒FITを迎えた2年半後に(ちょうど、太陽光発電のパワコンのパワーが少し衰えたかなという時期に)、蓄電池を設置しました(2023年7月)。太陽光発電と蓄電池の両方のパワコンを兼ねるハイブリッド型の蓄電池を選択したので、そのタイミングで交換完了ということになり、今は新たなパワコンでパワフルに発電してくれています。

・パワコンの交換タイミングとしては、卒FITを迎え、「蓄電池を設置予定の家庭は、そのタイミングで交換(ハイブリッド型蓄電池を選択)」、また、「蓄電池を設置する予定のない家庭は、太陽光発電が発電しなくなった時(故障した時)、または、著しく発電量が劣化した時、または、保証期間(10~15年)が到来する時期に交換」が一般的な考え方なのかなと思います。太陽光パネルの寿命(20~30年)は、パワコンの寿命(10~15年)の2倍ですので、太陽光パネルが使えている間に(30年スパンで考えると)1回はパワコンを交換することになるかと思います。

・余談となりますが、太陽光発電を設置(2010年12年)してから2~3年経った頃(2013年頃)に、メーカーから「有料(6万円台)で、太陽光発電の10年の保証を15年に延長することができます」という案内が来ました(11年目以降は、最大出力の下限値(最大出力の公称値の90%)の85%)。家電製品を買う時などにもお店の人に「延長保証」をするかどうか聞かれていつも迷ってしまうのですが、この時もどうしようか迷った末、我が家は延長しませんでした。その後パワコンは故障しないまま順調に動き続け、12年半後(2023年7月)に「太陽光発電と蓄電池の両方のパワコンを兼ねるハイブリッド型の蓄電池」を設置するに至りましたので、結果的には「延長保証」しないで正解だったということになります。

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