<3分で読める> 蓄電池導入のための基礎知識 ~これだけは知っておきたい「10」のこと~

蓄電池の導入まで
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蓄電池導入の検討にあたっては、まずおおまかに、今回のブログに書く「10」のことを頭に入れていただきたいだワン。

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その1.蓄電池の役割

〇電力を蓄電池に貯めておいて、あとで放出して自分の家の電力として使うことができる。

〇太陽光発電で余った電力を貯めることもできるし、電力会社から買った電力を貯めることもできる。

〇太陽光発電で余った電力を貯めて、あとで使えば、電力会社から買う電力を減らすことができる。太陽光発電とあわせて持つことで大きなメリットを発揮できる。

<図解>蓄電池を使った場合の電力の代表的な利用イメージ

<図解>太陽光発電だけ(蓄電池なし)の時の電力の利用イメージ

特に、太陽光発電のFIT(固定価格買取制度)期間の10年を経過すると、「売電」単価は大きく下がるので、「電力会社から買う電力」(上の図の赤線部分)をいかに少なくするかが、電気代削減のためのポイントとなる。蓄電池はその役割を担う。

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その2.蓄電池を導入する目的

停電時(災害時)に電力を使えるようにするため

〇太陽光発電とあわせて持ち、電力会社から買う高い電力を減らすことにより、電気代を削減するため

〇太陽光発電で余った電力を蓄電池に貯めて自分の家で使うことはエコ(自給自足)になるため

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その3.「自家消費」と「売電」というキーワード

〇「自家消費」は、自分の家で作った電力(太陽光発電)を自分の家で使うこと

〇「売電」は、自分の家で作った電力(太陽光発電)を電力会社に買ってもらうこと

「発電量」=「自家消費量」 + 「売電量」

「経済効果」(電気代の節約効果(円))=「自家消費量(kWh)」×「電力会社から買った場合の単価(円)」 + 「売電量(kWh)」×「売電単価(円)」

〇「売電」単価よりも「電力会社から買う電力」単価の方が高いため、太陽光発電で余った電力は「自家消費」した方がおトクとなる。

〇蓄電池を導入すれば、日中に太陽光発電で余った電力を蓄電池に貯めて夜などに使用することで「自家消費」を増やすことができる。電力会社から買う電力を少なくすることができるので、電気代の削減につながる。

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その4.機能面でみた蓄電池の4つの種類

「全負荷型」 or 「特定負荷型」

「全負荷型」:停電時に家のすべての場所の電気が使える。エアコンやIHクッキングヒーターなど200V(ボルト)電圧家電の使用も可能

「特定負荷型」:停電時にあらかじめ決めた家の特定の場所の電気のみ使える。200V(ボルト)電圧家電は使用できない。

「ハイブリッド型」 or 「単機能型」

「ハイブリッド型」

・「ハイブリッド型」とは、太陽光発電のパワーコンディショナーと蓄電池のパワーコンディショナーが「ハイブリッド」という名のとおり、1台に兼ね備えられた機器(※)

(※)パワーコンディショナーとは、太陽光発電で発電した電力や蓄電池に充電されている電気(直流)を家で使える電気(交流)に変換する機器。「パワコン」と略して読んだりする。

・電気のロスが単機能型より小さい。

・停電時の出力が高い(同時にたくさん電力を使える)。

停電時に自動で「自立運転」のモードに切り替わり、何も操作することなく、蓄電池の電力が使えるようになる

「単機能型」

・「単機能型」とは、蓄電池専用のパワーコンディショナー機器

・電気のロスがハイブリッド型より大きい。

・停電時の出力が低い(同時にたくさん電力を使うことができない)。

・停電時に蓄電池の電力を使うためには手動操作で「自立運転」のモードに切り替える必要がある。

4つの種類(2×2)

〇蓄電池は、「機能面」では、このように「全負荷型」or「特定負荷型」、「ハイブリッド型」or「単機能型」の組み合わせの4種類に分類される。

「全負荷型」かつ「ハイブリッド型」』が、停電時に電力の利用制約を一番受けなくて済む(=蓄電が残っている限り日常生活と同じように電気が使える)タイプの組み合わせとなり、他のタイプに比べ導入金額は高くなる。

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その5.製品選びのポイント

〇(予算を踏まえつつも)ニーズに合った機能を選ぶことが大事(「全負荷型」or「特定負荷型」、「ハイブリッド型」or「単機能型」)。また、最適な蓄電容量を選ぶ(下記「その6.」参照)。

〇蓄電池製品の各部材が一つの大きな箱のようにまとまっている「一体型」なのか、それとも部材はまとまってはいないけど一つ一つの部材が小さくコンパクトである「分離型」なのか、また、蓄電池本体を地面に置くタイプなのか、それとも壁掛けタイプなのか、といったような「物理的な面」(大きさ部材数設置位置それらを踏まえたスペースの制約外観の印象など)も確認すべき(※)

(※)蓄電池(=蓄電システム)は、電力を貯めたり放電したりする「蓄電池ユニット(蓄電池本体)」、太陽光発電で発電した電力や蓄電池に充電されている電気(直流)を家で使える電気(交流)に変換する「パワーコンディショナー」、充電・放電・蓄電量などを表示したり運転モードの設定を行ったりする「室内モニター」などによって構成されている。

〇翌日の天気予報、過去の発電や消費電⼒の実績に基づいて、最適な蓄電量を AI が予測して、夜間の充電量を⾃動でコントロールしてくれる「気象連動 AI」モードは、毎日自分で何か判断や作業をしなくてもすべて自動で「最適」を判断して動いてくれる機能であるので大変便利

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その6.適切な蓄電容量

〇「蓄電容量」は、蓄電池に貯めておける電力の量である。実際に使える容量を「実効容量」という。

〇太陽光発電で余った電力は「売電」するより「自家消費」した方がおトクであるから、蓄電池を設置した際には、蓄電池設置前(太陽光発電のみだった時)に「売電」していた量を「自家消費」に回したい=蓄電池に貯めたい

〇よって、それまでの「売電量の実績」を確認し、その売電量を貯められる程度の「蓄電容量(実効容量)」の蓄電池を選択することが効果的だと考えられる。春夏秋冬、天気の良い日、悪い日によって売電量はまちまちであるため、すべての時々(季節・天気)に「最適」と言える一律の蓄電容量はない。我が家では、単純にそれまでの「1日平均売電量」の実績を確認した。

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その7.販売業者選びのポイント

〇「インターネットから自分で販売業者を探し、良さそうと思った販売業者にインターネットから問い合わせして購入」、「家電量販店で購入」、「ホームセンターで購入」、「ハウスメーカーで購入」、「一括見積り比較サイトで取った見積りの中の販売業者から購入」などの方法がある。

「価格面」「契約前のやりとりを通じて感じた販売業者に対する信頼感」「取扱製品が豊富。実績が多い」手続き面、アフターサービス面、保証の面で優れている」といった観点などから、総合的に納得した業者を選ぶ。

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その8.蓄電池設置までの流れ

〇(我が家の例)「蓄電池の基礎知識(種類、補助金など)の習得」 「見積り(複数社)依頼」 「製品・販売業者の検討・決定」 「販売業者との打ち合わせ・販売業者からの指示による各種申請書類等(補助金の事前申請など)の手続き」 「工事業者による現地調査」 「支払い(一部)」(※)「設置工事(1日)(当日夕方稼働)」 「支払い(残り)」(※) 「販売業者からの指示による各種申請書類等(補助金に係る設置後実績報告など)の手続き」

赤色のアンダーラインの作業は自らが能動的に行う作業青色のアンダーラインの作業は業者さんの作業あるいは業者さんの指示に従って行う受け身の作業となります。

(※)支払いは、分割払いも可能

〇検討開始から実際に蓄電池を設置するまでにかかる期間は、各種手続き等にある程度の時間を要することなどから、早くとも半年程度はかかると認識すべき(補助金をすべて受領できるのにはもっと時間がかかる)。

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その9.補助金の利用

〇補助金には、「①」の補助金や、「地方自治体(②都道府県、③区市町村)」の補助金がある。①②③は基本的に併用できるが、そもそも補助金がない地方自治体や、補助金併用の際の条件や制限もあるので、しっかりと確認する(自分でも確認するし、販売業者にも確認するのが確実)。

〇各補助金について、それぞれの申請開始時期や実績報告締め切り時期などを事前にしっかりと把握した上で、「すべての補助金を利用できるタイミングで蓄電池設置までのスケジュールを立てる」ということが補助金を最大限に受けるためのポイント

〇補助金は、予算上限に達したらその時点で終了となるので、早めの準備が必要。また、補助金の内容は、年によって変わっていくものなので、その時点の補助金内容をしっかり把握することも大事(自分でも確認するし、販売業者にも確認するのが確実)

東京都の補助金は補助率が高いため、初期費用を回収することが難しいと言われている蓄電池でも、東京都の補助金を利用すれば、一定期間以上経った時期に元を回収できる可能性がある。

〇補助金の申請手続きに関しては、書類の記入内容が専門家でないと難しい部分がある。したがって、申請書類に係る手続きの指示や、書類への記入を、販売業者の方で対応してくれるか、あらかじめ販売業者に確認しておくべき

→本件の詳細記事こちら(補助金全般)。東京都の補助金に関する記事はこちら(費用回収シミュレーション)とこちら(補助金内容簡潔説明)

その10.蓄電池の主要な運転モードと各種設定(*我が家の場合)

●運転モード

「グリーンモード」(※は、太陽光発電で余った電力は、まずは蓄電池に「充電」して、蓄電容量上限まで充電した後は「売電」する。夜間に電力会社からの買電による蓄電池への充電を「する」設定も「しない」設定もどちらもできる。「気象連動 AI による⾃動設定」機能で、夜間の買電による充電をAI判断で自動的にコントロールさせることもできる

「売電モード」(※は、太陽光発電で余った電力は、すべて「売電」となる。夜間に電力会社からの買電により蓄電容量の上限まで充電する。

「売電単価 < 電力会社から買う電力単価」の場合は、「グリーンモード」の方が電気代の節約効果が大きくなる。

(※)運転モードはメーカーにかかわらず、同様なモードが存在する。メーカーによって呼び方が違う。

●その他設定

「緊急充電モード」は、「⾃動」に設定した場合、設置エリアに気象「警報」が発令されると⾃動で緊急充電を開始する

「放電「下限」設定」は、蓄電池に最低限残しておく蓄電量の設定である。停電時に備え、常日頃、最低限どのくらいの電力を蓄電池に残しておくかを考えて設定する(我が家の場合は、最低「10%」残しておくという設定にしている)。

(*)我が家の蓄電池は、住友電工の「POWER DEPO® H」(パワーデポH)

→本件の詳細記事こちら

(プラスワン)蓄電池を設置して1年経った今の感想

〇電気料金が高騰していく中で「電気代を節約できた」、自然災害が多い日本で「予期せぬ停電の発生に備えた安心感を確保できた」、室内モニターで発電量、蓄電量、電力消費量などを見ることが日常となり「節電意識が高まった」、世の中の流れ(脱炭素・カーボンニュートラル)に向けて、我が家でも「世の中の流れに貢献する対応ができた」・・・といった満足感があった。

〇初期費用は高かったが、今後のランニング費用という点では、「自家消費」の割合を増やせたことにより電気代の高騰に振り回される心配から少し解放され、停電時の対策も含め、生活の安心・安定につながっと感じた。

→本件の詳細記事こちら

今回の記事は、蓄電池をこれから検討する方に向けて、知っておいた方がよいと思うポイントをお伝えしたかったので、あえていろいろ書かず簡潔な記載としました。今回書いた内容を、より詳細に知りたい場合は、是非、リンクを貼った先の「詳細記事」をご覧ください!

YouTubeやインターネットでも、蓄電池に関して、詳細を分かりやすく説明したものがたくさんあるわね。せっかくなら、しっかり調べて、検討して、納得した上で、導入していただきたいわ。

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