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「太陽光発電だけ」とするか、「太陽光発電+蓄電池」とするか

蓄電池の導入まで
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太陽光発電の卒FIT(太陽光パネル設置後10年経過)を迎えたご家庭においては、「売電単価が下がったので、自家消費(※1)を増やすために蓄電池を設置するかどうか?」と迷うものです。

また、これから太陽光パネルを設置しようと考えているご家庭、または、れから新築で家を建てようとしているご家庭の中には、「太陽光パネルを設置しようか、その時、蓄電池も一緒に設置するかどうか?」と迷っていらっしゃる方も多いと思います。

太陽光パネルや蓄電池は高額であることから、その「費用対効果」を考え、購入に迷うのは当然の話だと思います。

「太陽光発電だけ」とするか、「太陽光発電+蓄電池」とするか、結論としては、どちらの選択もありだと考えます。

太陽光パネルや蓄電池を購入する主な目的は、大きく「電気代の節約」「災害時(停電時)の対策」の2点と言われています。

ですので、各ご家庭において、その2点の考え方を具体的に整理できれば、少しは迷いが解消されるでしょう。

この2点を考える上で、(もちろん各ご家庭の予算内ということが大前提となりますが)「普段の生活で日中の電力使用量がどれくらいあるか(太陽光パネルをすでに設置しているご家庭においては自家消費率がどれくらいあるか)」「災害時(停電時)にどの程度不自由なく電気を使いたいか」がポイントとなります。

(※1)「自家消費」:太陽光で発電した電力を自分の家で使用すること。つまり、自給自足した電力のこと。自家消費しなかった電力は、余った電力(余剰電力)として電力会社に売電されることになります。

(※1)太陽光パネルだけを設置した(蓄電池なし)ご家庭の自家消費率は、一般的には「30%」程度と言われています。自家消費率が30%であれば、残りの70%は売電されるということになります。卒FIT後は、太陽光発電で余った電力は、「売電」するよりも「自家消費」した方が、電気代の節約になります。売電単価(我が家は8.5円/kWh)が、はるかに電力の購入単価(我が家は昼時間は30円/kWh以上)より安くなってしまうからです。

(※1)また、これから太陽光パネルを設置しようと考えているご家庭も、現時点(2024年6月現在)で設置した場合における売電価格(FIT制度の固定買取価格)は16円/kWhであり、電力会社からの購入電力が一般的には30円/kWh以上であることを考えると、自家消費した方がおトクです。

今回のブログを読むと、「太陽光発電だけ」とするか、「太陽光発電+蓄電池」とするか、迷っている時のヒントになるだワン。

太陽光パネルや蓄電池の設置の『目的』、『何を重視するか』について考える

「太陽光発電だけ」とするか、「太陽光発電+蓄電池」とするか、については、各ご家庭での設置の『目的』や『何を重視するか』次第ですので、『こんな場合は、こういう選択が良いのではないか』という考え方をなるべく簡潔に整理してみようと思います。

まず、蓄電池の有る無しで電力の使い方にどういった違いがあるかを、大きく言うと、

蓄電池があると、太陽光パネルで発電した電力を貯めておいて、あとで使用することができます。貯めた電力は太陽光発電しない時間(夜など)に使うことができます。

蓄電池がないと、太陽光パネルで発電した電力を貯めておいて、あとで使用するということはできません。太陽光パネルが発電している時にその発電した電力をリアルタイムで家庭内で使用し、余った電力は売電することになります。太陽光発電しない夜などに使う電力は電力会社から購入することになります。

<図解>蓄電池を使った場合の電力の代表的な利用イメージ

<図解>太陽光発電だけ(蓄電池なし)の時の電力の利用イメージ

(補足)「太陽光発電なしで蓄電池のみ設置」は、「災害時(停電時)の効果」も「電気代の節約効果(経済効果)」も太陽光発電がある場合と比べ限定的であるため、このブログでは検討の対象外としました。蓄電池には発電機能がありませんので、太陽光バネルがないかぎりは停電時には充電できません。また、時間帯別の電気料金プラン(夜時間が安く、昼時間が高い)は、最近の電気代の値上がり(夜時間料金の顕著な値上げ)により、夜時間の価格の優位性が薄れてきたため、夜時間の蓄電池への充電による電気代の節約効果は、太陽光発電による蓄電池への充電(自家消費)と比較してはるかに小さくなってしまったためです。

「太陽光発電だけ」「太陽光発電+蓄電池」とした時のそれぞれの状況を、初期費用面、ランニング費用(電気代の節約)面、災害時(停電時)の効果面、それらを踏まえた「向いているご家庭」という形で整理しました。冒頭でお伝えしたとおり、「普段の生活で日中の電力使用量がどれくらいあるか(太陽光パネルをすでに設置しているご家庭においては自家消費率がどれくらいあるか」「災害時(停電時)にどの程度不自由なく電気を使いたいか)」がポイントとなります。

初期費用

 初期費用初期費用の回収期間初期費用を抑える方法
太陽光発電
だけ
高額発電状況などにもよりますが、一般的には10年~15年程度で回収できる*と言われています。

*太陽光パネル設置にかかる費用の回収期間の考え方は、以前のブログ(「太陽光発電の実績 ~蓄電池の蓄電容量を検討する上での重要な判断材料~」)をご参照ください。
・地方自治体の補助金の活用

・新築時の購入(ZEH住宅補助金の利用)

・複数社への見積りは、価格の妥当性を判断する上で大切(☆)

など
太陽光発電
+蓄電池
とても高額発電状況などにもよりますが、蓄電池設置にかかる費用は、蓄電池の効果だけで考えると、一般的には10年~15年程度では回収が難しい*と言われています。太陽光発電の効果と蓄電池の効果のセットで回収期間を考えると回収期間は短縮されます。

*蓄電池設置にかかる費用の回収期間の考え方は、以前のブログ(「卒FITを迎え、東京都の補助金を利用して蓄電池を設置した場合に、元が取れるか」)をご参照ください。
・国や地方自治体の補助金の活用

・新築時の購入(ZEH住宅補助金の利用)

・両方セットで購入することによる工事費の割引き

・複数社への見積りは、価格の妥当性を判断する上で大切(☆)

など

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ランニング費用の削減(電気代の節約)効果、災害時(停電時)の効果

 発電した電力がどう使われるかランニング費用の削減(電気代の節約)効果災害時(=停電時)の効果
太陽光発電
だけ
・日中に発電した電力をリアルタイムで自家消費

・余った電力は売電
大きい効果は限定的だが、あると助かる。

・停電時、日中に太陽光発電していれば、専用の自立コンセントから電気を使用できる。
(最大出力は1.5kWであるため、同時に使える家電は限られる。)

・停電の際、太陽光発電の電力を利用するために、自ら手動で運転モードを切り替える。
(作業自体は簡単である。説明書の手順にしたがい自ら行う必要がある。)
太陽光発電
+蓄電池
・日中に発電した電力をリアルタイムで自家消費

・余った電力は蓄電池に貯める(太陽光発電していない時間帯に放電して利用する)。

・蓄電池に電力を貯めた後、余った電力は売電
とても大きいとても大きい。

・停電時、蓄電池に貯めた電力残量がある限りは、家中の電気が使える。停電時も出力が高い(同時にたくさん電気を使える)(※2)

・最大出力が大きい(我が家の蓄電池は6.0kWまで使用可)だけでなく、同時に太陽光発電で余った電気は蓄電池に貯めることができ、夜でも蓄電池からの放電により電気を使うことができる。蓄電容量が残っている限りは、普段の生活と同様に電気を使用できる。

・蓄電池(※2)を設置すると、停電時に手動操作が不要で、自動で蓄電池からの放電に切り替わる。

・複数日にわたる停電の場合でも、天気がよければ、日中に蓄電池に電力を貯め、夜に使用することができるので、停電時(=災害対策面)の効果は大きい。

(※2)蓄電池のタイプが「全負荷型でハイブリッド型」の場合です。

向いているご家庭(日中の電力使用量(自家消費の状況)と災害対策の考え方による判断)

 日中の電力使用量(自家消費の状況)による電気代の節約効果での判断災害時(=停電時)の対策での判断その他の面での判断
太陽光発電
だけ
・もともと日中の電力使用量が多い場合(=太陽光パネルをすでに設置しているご家庭においては自家消費率が高い場合(余剰電力が少ない場合))、蓄電池を設置したとしても、蓄電池にあまり電力を貯めることができないので、太陽光発電だけでもよいのでは。
(自家消費率がもともと高い場合、蓄電池を設置することのメリットは、自家消費率が低い場合(=余剰電力が多い場合)よりも相対的に下がる。)

・例えば、在宅勤務などで日中に家にいる時間が多く、太陽光発電した電力の多くをリアルタイムで自家消費している。

・さらに例えば、ペットがいて日中冷暖房をずっと付けていているような場合、太陽光発電をリアルタイムで使う量が増え、自家消費率が高くなります。

・ 蓄電池以外に自家消費できる製品(おひさまエコキュート、EVなど)をお持ちのご家庭(あるいは導入を検討している場合)は、太陽光発電だけでもよいのでは。
自家消費できる製品の紹介は、以前のブログ(太陽光発電で余った電気を「自家消費」する方法 ~生活スタイルに合わせて自家消費率を上げる~)をご参照ください。
電気代の節約効果を主に期待していて、災害時(=停電時)の対策はそこまで考えていない場合は、太陽光発電だけでもよいのでは。・蓄電池の設置場所がない。

・蓄電池の価格が今後どうなるか見届けたい。

・太陽光発電と蓄電池の設置の時期をずらすことで、費用負担の時期を分散させたい。

といった場合など

太陽光発電
+蓄電池
・太陽光パネル容量が大きく、発電量が多い。余剰電力が多く発生しているが、せっかく発電した電力をたくさん安く売ってしまっているような場合は、新たに蓄電池を設置することで、蓄電池のメリット(電力を貯める)を大きく活かすことができる。

・日中よりも夜(太陽光発電していない時間帯)にたくさん電気を使うので、夜にこそ自家消費率を上げ、電気代を節約したい、という場合も蓄電池が向いている。
(初期費用が高くなり、費用回収が難しいと承知の上で)災害時(=停電時)に、できる限り不自由なく電気を使いたい。・自家消費率を上げたい(普段の電気代の節約(ランニング費用の削減)、エコのためなど)

・初期費用は高くても、蓄電池を今のうちに設置して、今後の電気代の高騰に備えておきたい。最初は初期費用の支払いで大変だが、その後は恩恵を受けられる。

・電気代の高騰に振り回されたくない。生活の安心・安定につなげたい。

といった場合など

太陽光パネルだけであれば、予算的に負担が減るし、初期費用の回収期間も一般的には10年~15年と言われているので、主に経済面を重視するのであれば、その選択かな。これから太陽光パネルを設置するのあれば、その後卒FITを迎える10年経ってから蓄電池の設置をあらためて検討するということでも遅くない、という考え方もあるね。

蓄電池は高額なので購入には決心が必要な買い物だけど、いちど設置してしまえば、月々の電気代は節約できるので、電気代がどんどん上がっていく状況で気持ち的に少し楽になれて助かるし、災害時(停電時)に備えた「保険」のようなもの、といった考え方もあるわ。

蓄電池を導入したことで自家消費率はどれだけ上がったか

最後に参考に、蓄電池を導入したことで自家消費率がどれだけ上がったか、我が家の例をご紹介します。

太陽光発電だけだった時の自家消費率

太陽光発電(※3)のみ実施していた期間(2011年~2020年)の「自家消費率」は、47%でした。

(発電:約77,600kWh、自家消費:約36,600kWh)

(※3)太陽光パネル設置容量:6.3kW(パワーコンディショナー5.5kW)です。

自家消費率は一般的には「30%」程度と言われていることからすると、「47%」はそれよりは高いですが、感覚的には自家消費率が高いとまでは思えません。自家消費率を上げる対策を行わない限り、卒FIT後は、半分以上(53%)を安い単価で売電することになってしまうからです。

太陽光発電に加え、蓄電池を設置した後の自家消費率

太陽光発電に加え、蓄電池を設置した後(※4)は「自家消費率」は、73%になりました(2023年7月途中~2024年5月31日)(注)

(発電:約7,430kWh、自家消費:約5,440kWh)

(※4)蓄電池の蓄電容量:12.8kWh(実効容量:11.9kWh)、太陽光パネル設置容量:6.3kW

自家消費率「73%」まで上げることができ、感覚的にも自家消費率を高くすることができたと感じました。それまで、余剰電力が多いと感じていた(=安い単価でたくさん売電していてもったいないと感じていた)ので、蓄電池をつけてよかったです。

(注)「自家消費」データ(73%)は、単純に「発電」実績から「売電」実績を差し引いた値として計算しています。実際には、太陽光発電した電力を蓄電池に充電する時と、蓄電池から電力を放電する時に「ロス」が発生していますので、この「自家消費」量が目一杯家庭で使う電気に充てられたわけではありません(家庭で使用した電力に実際に充てることができた割合は、これより小さい割合となります)

まとめ

「太陽光発電だけ」とするか、「太陽光発電+蓄電池」とするか、については、各ご家庭での設置にあたっての『目的』や『何を重視するか』次第だと思います。

これから太陽光発電を設置しようと考えているご家庭、又は、これから新築で家を建てようとしているご家庭においては、とりあえず、太陽光発電を設置して卒FIT後(10年後)に蓄電池を設置するという選択もあると思います。費用の支払いも分散されますし、10年後以降は、太陽光発電のパワーコンディショナーの交換時期にもなるからです(※5)

(※5)太陽光発電のパワーコンディショナーを兼ねる「ハイブリッド型」の蓄電池を設置すれば、太陽光発電のパワーコンディショナーも交換できたことになります。

「太陽光発電だけ」とするか、「太陽光発電+蓄電池」とするか、については、一律どっちが正解というわけではないと思います。ご家庭の予算、日中の電力使用量や自家消費の状況、災害対策等の考え方(価値観)を踏まえて決めていただくのが望ましいと考えます。

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