今回は、昨今話題になっている「ペロブスカイト太陽電池」について調べました。
主に以下の記事を参照し、内容(特徴、発祥・経緯など)を簡潔に整理し、「ペロブスカイト太陽電池」の実用化に向けた期待や可能性について、思ったことを書きました。
今回のブログを読むと、次世代型太陽電池といわれる「ペロブスカイト太陽電池」とはどんなものかが分かるワン。今後、私たちの生活の中でどういった形で使われるのか楽しみだワン。
<参照記事>
〇「経済産業省 資源エネルギー庁」
〇「公益財団法人 自然エネルギー財団」
〇「エネテク」
〇「NHK」(youtube)
ペロブスカイト太陽電池の特徴
ペロブスカイト太陽電池の主な特徴として、
・軽量、薄い(フィルム状)
・曲げられる。
・弱い光で発電できる。
・主な原料は日本での生産量が多い「ヨウ素」であるため、国内で調達できる。
・低コスト
といったことが挙げられます。
ペロブスカイト太陽電池の活用
上記のような特徴から、身の回りにある様々なものにペロブスカイト太陽電池を取り付けることができると考えられています。太陽光発電の利用可能性を広げ、多様な用途で生活に役立つことが期待されています。
・現在の太陽光パネル(=シリコン太陽電池)が設置できない「耐久性のない屋根」や「ビルの壁面」や「家の窓」などにも設置できます。
・また、室内の照明などでも発電できますので、太陽光が直接当たらない場所での利用(小型機器等に貼る)なども想定されています。
・さらに、例えば、電気自動車(EV)について、充電ケーブルと車をつないであらかじめ充電した電気ではなく、車の上にペロブスカイト太陽電池を貼ることにより、その場で走りながら車に太陽光発電した電気を動力源として供給する、ということも実現できるのではないかと期待されています。
ペロブスカイト太陽電池の技術の発祥とこれまでの経緯
ペロブスカイト太陽電池の技術は日本で発祥しました。
NHK番組(youtube)(※)によれば、発祥とこれまでの経緯は以下のとおりです。
研究が開始されてから、あきらめることなく、研究の積み重ねによって、20年近く経って見事実用化に漕ぎつけた関係者の方々には頭が下がります。
(※)[サイエンスZERO] 世界を変える!?“次世代型”「ペロブスカイト太陽電池」| 雨でも曇りでも室内でも発電!| NHK
発祥(きっかけ)
以下は、NHK番組(youtube)の内容(抜粋)を文字(「」部分)にしたものです。
桐蔭横浜大学の宮坂力(ミヤサカツトム)特任教授のもとで発明された技術です。2005年~2006年当時、宮坂教授の研究室に来た大学院生(小島陽広(コジマアキヒロ)さん)が「ペロブスカイトによる太陽電池をやってみたい。」と言い出したことがきっかけだそうです。
小島さんは、光を吸収する性質に注目し、光を電気に変える性質も持っているかもしれないと考えていたそうです。
宮坂教授は「学生がやりたいと言ったことはまず試してみるべき」との考えをお持ちで、「やってみたら」と小島さんに答えたそうです。
小島さんは宮坂教授のことを「学生の好奇心とか興味やる気を非常に尊重してくれる先生。そういう指導方針のおかげでチャレンジングなテーマにも最後まで挑戦できた。」と語っています。
宮坂教授は、ノーベル賞候補として名前が挙がっています。
これまでの経緯
以下は、NHK番組(youtube)の内容(抜粋)を参照しました。
2009年、宮坂教授は論文を出しましたが、光を電気に変える変換効率が悪く、世界の研究者から反応がなかったそうです。
そして、転機が2012年に来ました。ペロブスカイト太陽電池に興味を示した海外の研究者ヘンリー・スネイスが、変換効率を上げる研究を行い、成功しました。変換効率が上がった後、再度論文を発表したところ、そこでようやく世界中の研究者の目に留まり、その後様々な研修者からペロブスカイト太陽電池の弱点を克服する論文が発表されるようになり、今日に至ったそうです。
感想
〇「耐久性のない屋根」や「ビルの壁面」や「家の窓」などにも設置できるということは、メガソーラーのように広大な土地を必要としないということですので、一部で問題となった森林伐採等の必要もなく、大きなメリットだと思いました。
〇マンション住まいや、一軒家でも屋根の形の都合などで、これまで太陽光パネルを付けられなかったご家庭でも、壁やベランダをうまく活用することでペロブスカイト太陽電池を設置できるようになるのではないでしょうか(期待)。その結果、太陽光発電がこれまでのように「一部の一軒家だけの特権」ということではなくなり、幅広いご家庭において太陽光発電のメリットを享受できるようになればいいなあと思いました。
〇そうなれば、太陽光発電の普及に対する国民の機運も高まるのではないでしょうか。気候変動の抑制のためのCO2(二酸化炭素)削減、再生可能エネルギーの拡大といったことへの関心や理解ももっと浸透させることができるような気がします。
〇さらに、普及が進んでいけば、少しずつ導入費用も安くなり、ますます導入する家庭も増えると思われ、その結果、多くの家庭において電気代の削減にもつながるという好循環が生まれると思います。
〇一方で、課題として、現時点では、現在の太陽光パネル(=シリコン太陽電池)に比べ、「耐久性が低い」、「寿命が短い」ということではありますが、その課題にどう対応するかが今後の普及の鍵になるような気がしました。
〇太陽光パネル(=シリコン太陽電池)の一般的な寿命(耐用年数)は、20~30年と長いので、少しでもそれに近い耐用年数となるような技術進歩や、故障した時や寿命が来た時にいかにコストをかけずに対応(交換・修復等)可能かといったことが大切だと思います。
〇太陽光パネル(=シリコン太陽電池)に取って代わるということではなく、太陽電池のラインナップが増えた(利用可能性が広がった)ということだと思いますので、用途や場所に応じて、それぞれの特性を活かしてうまく使えればよいですね。
〇日本発祥の技術ですので、日本企業の技術力やアイデア、様々な企業間・業種間の協力に加え、国も支援して、多くの人のメリットになるように実用化してほしいと思いました。
数年内に実用化という話も具体的に出ていますので、今後が楽しみです。
【2024.11.27追記→】最近、テレビニュースでも取り上げられていたわ。急ピッチで実用化に向けて進んでいるようね。