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卒FIT直後に行った唯一のこと ~我が家が加入した東京電力の「再エネおあずかりプラン」の解説~

再エネおあずかりプラン
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今日は、卒FIT直後に行った唯一のこと、東京電力の「再エネおあずかりプラン」への加入について書きます。我が家は、卒FIT後から蓄電池を設置するまでの間、このプランに加入していました。

結論から言うと、「再エネおあずかりプラン」は、「買電量」と「余剰電力(売電量)」がともに多い場合に加入するとメリット(電気代の節約効果)を得られるプランです。「多い」というのは抽象的な表現ですので、具体的にシミュレーションしてみたいと思います。

最近電気料金が高騰している一方で、このプランの価格(月額4,000円)は据え置きされている状況ですので、以前よりもこのプランのうまみは増していると言えます。

また、以前はメリット(電気代の節約効果)を得られなかった場合でも、最近は、これまでかなり割安であった夜間料金も含め電力量料金単価が値上がりしているため、メリットを受けられる状況になったかもしれません。

今回のブログを読むと、仮想蓄電サービスと言われている「再エネおあずかりプラン」がどんなサービスで、どういった状況においてメリットがあるのかということが分かるワン。

卒FIT直後の対応

卒FIT直後(太陽光パネル設置10年後以降)、最初は特に何もしませんでした。

何もしなくても、東京電力に買い取ってもらえる価格が「48円」だったのが、自動的に「8.5円」に下がって、引き続き東京電力に買い取ってもらえます。

本来はもっと高く買い取ってくれる電力会社を探して、売電先の電力会社を変更してもよかったのですが、少し調べてはみたもののそれほど高く買い取ってくれる電力会社も見付けられず、また、正直に言うと手続きが手間かなという理由で、何もせずそのまま東京電力に8.5円で買い取ってもらうことにしました。

もちろん理想を言えば、卒FIT後に早めに蓄電池を設置したかったです。卒FIT後に「蓄電池を設置できたらいいなあ。」ということは卒FIT前から思っていました。停電の時に役立つし、卒FIT後は太陽光発電の電気を安い価格で売るのではなく、蓄電池に貯め自家消費した方が電気代の節約になる、ということもその時から分かっていたからです。当時蓄電池の価格を少し調べたりしましたが、やはり価格的に手が届きませんでしたので、「太陽光発電で日中に自家消費できるだけでも満足することにしよう。」と、はなから蓄電池を設置することはあきらめていました。

それでも、「蓄電池の設置以外に何かできることはないかなあ。」と思い、少し調べてみました。

「再エネおあずかりプラン」の概要

そんな時に、東京電力のプランに「再エネおあずかりプラン」というものを見付け、我が家はこのプランに加入しました。売電先の電力会社を変更するよりもそのまま東京電力のプランを利用した方が手続き的にも楽なのかな、とも思いました。

ただ、東京電力のインターネットサイトの説明を読んでも、このプランがどういう仕組みでどれだけのメリットがあるのか最初はなかなか理解できなかったです。しばらくすると理解できたのですが、分かりやすく説明するのは難しいです。自分なりに頑張って説明すると以下のとおりです。

「月4,000円東京電力に追加で払うと、太陽光発電の余剰電力を、東京電力に8.5円で売電するのではなく、あたかも実際に蓄電池があってその電力を放電して使用しているかのように、東京電力から購入(買電)した電力に対して単価が高い電力量料金単価部分から順番に余剰電力(本来売電となる部分)を充てて(上限250kWh)、買電量を少なくしてくれる」プランです。

もう少し平たく簡潔に言うと、「売電をしない代わりに、その分の量の買電量を減らすことができる。買電単価の方が売電単価よりも高いので、月4,000円払ったとしても、買電量が減ることによりお得になる(可能性がある)」プランです。

うーん。なんか分かったようで、やっぱり分からないようで・・・。

具体的なケースを見てみたいわ。

東京電力を利用されているご家庭で、卒FITしたご家庭、または、もうすぐ卒FITを迎えるご家庭においては、「季節別時間帯別電灯(電化上手)」、「時間帯別電灯(夜間8時間型)(おトクなナイト8)」、「時間帯別電灯(夜間10時間型)(おトクなナイト10)」という電気料金プランを使われている方が多いと思いますが、これらの電気料金は「昼間」の電力量料金単価が高く設定されていますので、この「再エネおあずかりプラン」によって、その部分(昼間)の買電にかかる支払いをできるだけたくさん削減してもらえれば、メリット(電気代の節約効果)はより大きくなります。

余剰電力を買電に充てられる上限は、250kWh分までです。←ここがポイント(=「余剰電力」も「買電」も、ともに250kWhあると一番効果的です。

(このプランでは、250kWhを超える余剰電力部分は、8.5円/kWhでの買い取りとなるので、普通に売電していることと効果は同じです。)

売電単価だけでみると、東京電力よりも高く買い取ってくれる電力会社さんがあり、売電先を変更すれば売電収入を増やすことができますが、この「再エネおあずかりプラン」を利用すれば、買電費用が減ることにより電気代を削減できる可能性があります。

「可能性」と言ったのは、メリット(電気代の節約効果)を受けられるのは、ある程度の余剰電力量(「売電量」)があって、かつ、ある程度の「買電量」もある状況で加入した場合に限定されるからです。

(東京電力以外にも同様のプランを提供している電力会社はいくつかあります。)

「再エネおあずかりプラン」の具体的ケース

以下は、東京電力エナジーパートナー株式会社(TEPCO)のインターネットサイトです。

再エネおあずかりプラン|再エネプラン|東京電力エナジーパートナー株式会社
日中の電気のご使用量が多い、毎月の余剰電力が多いお客さまにおすすめ 蓄電池がなくても、余った電気をご自宅で使用!日中の電気のご使用量が多い、毎月の余剰電力が多いお客さまにおすすめ

電力量料金単価を用いて計算した金額ベースでの具体例の記載があるとイメージしやすいのですが、それが無いので、私の方で書いてみます。

「再エネおあずかりプラン」に加入していない場合の通常の電気料金と、電気料金から売電額を差し引いた実質的な電気代

具体的なケース(例)です。

以下の電力量料金単価で、以下の前提の場合、「再エネおあずかりプラン」に加入していない場合の通常の電気料金を計算すると・・・。

(2024.11.9追記→)※電力量料金単価は電力を取り巻く環境の変化に応じてたまに変更されるものです。以下に記載する電力量料金単価は仮置き数字(以前(2023年9月16日時点)の単価)であり、現時点(2024.11.9)とは異なるものですのでご留意ください

<電力量料金単価

仮に、1kWhあたり

「午前7時~午前10時」及び「午後5時~午後11時」:36.07円

「午前10時~午後5時」 夏季:44.13円、その他季節:40.64円

「午後11時~午前7時」:29.05円

とする。

(◎ここではシンプルに理解するために、「基本料金」、「燃料費調整単価」、「再生可能エネルギー発電促進賦課金単価」、その他の割引などの考慮はしていません。)

【前提】

・使用電力量(買電量):600kWh/月

  (内訳:夏季昼時間 38kWh、 朝時間及び晩時間 216kWh、 夜時間 346kWh

・余剰電力量(売電量):300kWh/月

【電力量料金単価に応じて計算すると】

・44.13円(夏季昼間)×38kWh=1,676円…①

・36.07円(朝晩)×216kWh=7,791円…②

・29.05円(夜間)×346 kWh=10,051円…③

よって、「再エネおあずかりプラン」に加入していない場合の

通常の電気料金は、①+②+③=19,518円 となります。…④

また、

売電収入は、8.5円(売電単価)×300kWh=2,550円…⑤

よって、

電気料金から売電額を差し引いた実質的な電気代は、

④-⑤ =19,518円-2,550円=16,968円となります。

——————————

「再エネおあずかりプラン」に加入した場合に、4,000円の追加支払いと引き換えに、引き取ってくれる「買電」部分の計算

次に、「再エネおあずかりプラン」に加入した場合に、4,000円の追加支払いと引き換えに、引き取ってくれる「買電」部分の計算です。

・44.13円(夏季昼間)×38kWh=1,676円…(a)

・36.07円(朝晩)×212kWh=7,646円…(b)

ここまでで、上限(250kWh)に達しました(38kWh+212kWh)。

ただ、このケースの前提において、余剰電力(本来売電していた部分)は300kWhですので、「買電」との引き換えに充てた250kWh以外に、残り50kWhあります。

こちら50kWh(250kWhを超える部分の余剰電力)の引き取りは、

8.5円×50kWh=425円…(c)(※1)

となります。

(※1)この部分は正確に言うと「買電」部分に充てられたわけではなく、本来売電収入として受領する売電部分をこのプランの中で受領している、というような位置付けになります(8.5円/kWhでの引き取りとなるので、普通に売電していることと効果は同じです)。このプランに入っていない時は、売電収入は電力会社から自分の銀行口座に振り込まれる形でしたが、このプランに入ると、売電収入として電力会社から自分の銀行口座に振り込まれることはなくなり、このプランの中で全体の電気料金から余剰電力分(本来売電していた部分)の金額が引き取られ(=差し引かれ、差し引かれた金額を電気料金として支払う形になります。

よって、「再エネおあずかりプラン」に加入した場合に、4,000円の追加支払いと引き換えに、引き取ってくれる「買電」部分は、

(a)+(b)+(c)=9,747円となります。

「再エネおあずかりプラン」に加入した場合のメリット(電気代の節約効果)

9,747円の「買電」部分を4,000円のプラン料金で引き取ってくれるので、

9,747円-4,000円(プラン費用)=5,747円…(A)

また、「再エネおあずかりプラン」に加入していなければ、売電できていた金額が、

8.5円(売電単価)×300kWh=2,550円…(B)

となるので、「再エネおあずかりプラン」に加入した場合のメリット(電気代の節約効果)は、

(A)-(B)=5,747円-2,550円=3,197円

となります。

「再エネおあずかりプラン」に加入した場合の電気料金

「再エネおあずかりプラン」に加入していない場合の通常の電気料金は、上記のとおり、19,518円でしたので、「再エネおあずかりプラン」に加入した場合の電気料金は、

19,518円(通常の電気料金)+4,000円(プラン料金)-9,747円(買電の引き取り部分の金額)=13,771円となります。

「再エネおあずかりプラン」に加入していない場合の実質的な電気代(売電収入を考慮した電気料金)は、上記のとおり16,968円でしたので、上記した結果と同様、「再エネおあずかりプラン」に加入した場合は、

16,968円-13,771円=3,197円のメリット(電気代の節約効果)が得られるという結果が計算できました。

メリットを理解するのがややこしいプランですので、少し理解をしやすくするため、次回のブログで、実際の我が家の「ご利用明細」(東京電力発行)を見ていただきながら解説します。

補足説明

このプランでは、余剰電力を買電の引き取りに充当できる上限量(250kWh)は、目一杯使って、高い単価で買電した部分にできるだけ充てたいわけです。

上記ケースにおいては、まず一番単価の高い夏季昼間に買電した電力(38kWh)が充当されました。次に、朝晩に買電した電力(216kWh)のうち、212kWhまで充当されましたが、その時点で上限の250kWhに到達したため、4kWh分は充当されませんでした。また、夜間に購入した電力(346kWh)はすべて充当の対象外でした。このケースでは、余剰電力も300kWhと多く(充当上限の250kWh以上)、買電量も多い(充当上限の250kWh以上)ため、このように多くのメリット(電気代の節約効果)が得られたのです。

冒頭で、メリットを受けられるのは「ある程度の余剰電力量(「売電量」)があって、かつ、ある程度の「買電量」もある状況で加入した場合に限定される」とお伝えしたのは、こういった仕組みのサービスであるからです。

そもそも余剰電力量が少ないと、買電部分に「充当」できる量がそれだけの量になってしまいます。余剰電力量は、充当できる上限の250kWh以上あれば一番効果的です。それだけ「充当」できれば、十分メリットは出ると思います。

一方で、買電量が少ないと意味がありません。「充当」できる余剰電力が多くあったとしても、それを充てる「買電」部分が少なければ、意味がないからです。買電量も、上限の250kWh以上あれば一番効果的です。それだけ「買電」を減らせることができ、十分メリットは出ると思います。

買電が多い方がいい、というのは節電という点では矛盾しているようですが、このプランのメリットを享受できるのは、「余剰電力」、「買電量」ともに多い場合です。どちらもある程度の量あれば、ともに上限の250kWhまで達しなくてもメリットを受けられます(買電した電力について、どの電力量料金単価部分が多いかによって、メリットを得られるか否かの分岐量が変わってきます)。

太陽光パネルを設置済みのご家庭では「時間帯別電灯」の電気料金プランに入っているケースが多いと思いますが、「時間帯別電灯」における昼間の単価の高い段階の料金部分に「充当」が多くなれば、メリットもより大きくなります。

このプランは、例えば、「家族が多くて、昼間はみんな家にいないから売電が多くなる一方で、夕方は家族みんなが帰宅して、買電が多くなる。」といったような状況で、有効になると言えます。

このプランのメリットを受けられるということを確認できたなら、「蓄電池は設置できないけど、余剰電力を有効活用して、電気代を節約していきたい。」、あるいは、「今すぐ蓄電池は設置できないけど、蓄電池を設置するまでの間のつなぎとしたい。」といった場合に「再エネおあずかりプラン」をうまく利用していくことが有効かなあ、と思います。

ちなみに我が家は念願の蓄電池を設置後にこのプランを解約しました。蓄電池設置により、それまでよりも買電量も余剰電力(売電量)も大きく減り、このプランのメリットを受けられる可能性が低くなったからです。

~まとめ~

〇卒FIT後、余剰電力を高く買い取ってくれる電力会社に売電先を変更するという対応のほかに、例えば東京電力であれば「再エネおあずかりプラン」というサービスがあり、「買電量」と「余剰電力(売電量)」がともに多い場合に加入するとメリット(電気代の節約効果)を得ることができる。

〇このプランは、「月4,000円東京電力に追加で払うと、東京電力から購入(買電)した電力に対して単価が高い電力量料金単価部分から順番に余剰電力(本来売電となる部分)を充てて(上限250kWh)、買電量を少なくしてくれる」プランである。最近電気料金が高騰している一方で、このプランの価格(月額4,000円)は据え置きされている状況であるので、以前よりもこのプランのうまみは増している。

〇「蓄電池は設置できないけど、余剰電力を有効活用して、電気代を節約していきたい。」、あるいは、「今すぐ蓄電池は設置できないけど、蓄電池を設置するまでの間のつなぎとしたい。」といった場合に利用するのが有効。

少し分かりにくいプランですので、次回のブログでも、「再エネおあずかりプラン」の具体例(我が家の例(ご利用明細)で理解する)をもう少し書きたいと思います。

(2024.11.10追記→)「再エネおあずかりプラン」と一緒に加入できる「再エネ企業応援プラン」に関する記事も書きましたのでご覧ください(「「再エネ企業応援プラン」とは何か?」)。

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