今日は、『蓄電池設置後に「再エネおあずかりプラン」を解約したのは正解だったか?』を検証した結果を書きます。
「再エネおあずかりプラン」については、以前のブログで詳細を書いていますので、そちらをご覧ください。
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〇卒FIT直後に行った唯一のこと ~我が家が加入した東京電力の「再エネおあずかりプラン」の解説~
〇我が家の例(ご利用明細)でみる東京電力「再エネおあずかりプラン」の仕組みと節約効果
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我が家は、蓄電池を設置後に「再エネおあずかりプラン」を解約しました。蓄電池設置により、それまでよりも余剰電力(売電量)が大きく減り、このプランのメリットを受けられる可能性が低くなると考えたからです。
以前のブログでもお伝えしたとおり、「再エネおあずかりプラン」は、「買電量」と「余剰電力(売電量)」がともに多い場合に加入するとメリット(電気代の節約効果)を得られるプランです。
ただ、蓄電池設置後も、ふたを開けてみるとそこそこの売電量があったことから、ひょっとして「再エネおあずかりプラン」をそのまま続けていた方がお得だったかもしれないと思い、検証してみようと思いました。
今回のブログを読むと、蓄電池設置後に「再エネおあずかりプラン」に入り続けることでメリットを出せることがあるのかについての検証結果が分かるワン。
8月支払いの電気料金の実績で検証(「再エネおあずかりプラン」継続 vs 解約)
蓄電池設置後、太陽光発電した電力を蓄電池に貯めることにより、「自家消費」が増えた一方で、「買電量」は減り、「売電量」も減りました。それでも、以下の量だけありました。
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8月分は、
買電量:247kWh
売電量:182kWh
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以下は、実際の電気代の「ご利用明細」の画像です。
(夜時間帯(22時~8時)の電気料金単価が安くなる「時間帯別電灯(夜間10時間型)」料金プラン。「再エネおあずかりプラン」は解約した状態)
仮に「再エネおあずかりプラン」に入り続けていた場合に発生するコストの計算
仮に「再エネおあずかりプラン」に入り続けていた場合に発生するコストを、以前のブログでお伝えした『「再エネおあずかりプラン」に加入した場合にメリット(電気代の節約効果)が出るか出ないかの簡単な判断方法』で計算します。
蓄電池を設置したので「再エネおあずかりプラン」を解約したけど、蓄電池設置後もそこそこ売電量があったので、もしかしたら解約しない方がおトクだったのかしら・・・
「再エネおあずかりプラン」に加入している場合に、そのことで発生するコスト(月)は、
「プラン料金:4,000円+余剰電力が売電できなくなる部分(売電単価8.5円×余剰電力量(kWh))」です。
8月分で見ると、仮に「再エネおあずかりプラン」に入り続けていたとすると、そのことで発生するコストは、
4,000円(プラン料金) + 8.5円×182kWh(売電収入が無くなる分) = 5,547円・・・(A)
となります。
一方で、「再エネおあずかりプラン」で引き取ってくれる購入電力部分は、
購入した電力を単価の高い電力量料金順に182kWh(余剰電力)まで足しこむと、
〇電力量料金(昼時間、201kWh~):46.91円 × 0kWh= 0円
〇電力量料金(昼時間、81kWh~200kWh):41.96円 × 0kWh= 0円
〇電力量料金(昼時間、~80kWh):33.98円×59kWh= 2,004.82円
〇電力量料金(夜時間):29.19円×123kWh= 3,590.37円
〇燃料費調整額:-4.21円×182kWh= -766.22円
◎合計:4,828.97円・・・(B)
となります。
「5,547円」(A)の追加コスト(プラン費用+売電収入が無くなる分)が発生して、「4,828円」(B)の購入電力分を引き取ってもらうことになるので、「再エネおあずかりプラン」に入り続けていた方が719円分“損”(5,547円-4,828円)ということが分かりました。
ただし、8月分は燃料費調整の単価が「-4.21円/kWh」とマイナスであったことから、このプランで引き取ってもらえる金額が合計「766円」少なくなっています。
仮に燃料費調整額がプラスマイナス0円であったとしたら、その「766円」分は無いことになりますので、引き取ってもらえる金額の合計は、5,595円(4,828.97円+766.22円)となり、このプランに入ることによる発生コスト「5,547円」よりもわずかではありますが多くなっていました(ほぼとんとんです)。
つまり、燃料費調整額は月々変動するので、その影響を除いて(プラス、マイナスどちらになるかが分からないので除いて)計算すると(0円と仮定すると)、今回計算した8月分では、仮に『「再エネおあずかりプラン」に入り続けていた場合』と『解約した場合(我が家の選択)』を比較すると、損得はだいたいとんとんであったということになります。
9月分、10月分ではどうなったか
9月分は、
買電量:342kWh
売電量:108kWh
(8月と比べ、買電量は多いですが、売電量は少ないです。)
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10月分は、
買電量:289kWh
売電量:144kWh
(やはり、8月と比べ、買電量は多いですが、売電量は少ないです。)
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となりました。
8月分は「再エネおあずかりプラン」に入り続けていた方が719円分“損”でしたので、当然ながら8月分(売電:182kWh)よりも売電量が少ない9月分(売電:108kWh)、10月分(売電:144kWh)についても、(仮に燃料費調整額がプラスマイナス0円であったとしても)「再エネおあずかりプラン」に入り続けていたとしたら“損”していたということになります。
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(以下、2023.11.24追記↓)
11月分は、
買電量:113kWh
売電量:276kWh
となりました。
11月分は、9月分や10月分とは逆に、売電量は多かったですが(十分でしたが)、買電量は少なかったです。引き取ってもらう買電量は113kWhだけ(電力量料金単価で計算して3,500円程度)ですので、やはり「再エネおあずかりプラン」に入り続けていたとしたら“損”していたということになります。
所感
〇蓄電池を設置すると「自家消費」が増え、「買電量」と「余剰電力(売電量)」が減る(我が家の場合は、買電量はそこそこあるが、売電量が少なくなった)ことから、少なくとも我が家においては、「再エネおあずかりプラン」に入り続けてメリットを出せることはほぼなくなったようです(蓄電池設置と同時に解約して正解でした)。
〇蓄電池を設置した後も「再エネおあずかりプラン」に入り続けてメリットを出せるのは、「太陽光発電によって蓄電池がすぐに満タンとなってそれゆえに売電量も多くなる家庭で、かつ、太陽光発電していない時の電気の使用量が多く蓄電池の放電だけではまかないきれず買電量も多くなる家庭」といったところかと思われます。「太陽光パネル設置容量は大きいけれど、蓄電池の蓄電容量は小さめ」という状況で発生しやすいと推測できます。
〇もし今後さらに電気料金が上がり、このプランの価格(月額4,000円)が据え置きされる状況があれば、今と同じ余剰電力(売電量)であったとしても、引き取ってもらえる購入電力部分の金額が大きくなるということですから、その時に再び「再エネおあずかりプラン」に入り直すことを検討する意味はあると思っています。